正装の時に締める「袋帯」とは、どんな帯?

「振袖」「留袖」「訪問着」など、正装・準礼装の着物を着る時に使うのが「袋帯」です。帯の中でも格上の帯ですので、フォーマルな席で他の帯と間違えるとマナー違反となる場合もありますから注意しましょう。

そんな袋帯の基礎をお知らせします。

1.袋帯とはどんなもの?

女性専用の帯で一番格上と言われているのが「丸帯」です。豪華で品格のある帯ですが、大きくて重く、また費用も掛ることから、今は花嫁や舞妓さん達が使う専用の帯となっています。

現在、正装の時に締める帯は「袋帯」が一般的です。こちらは大正時代に考案されたと言われています。丸帯が表も裏も同じ織りとなっていることに対して、袋帯は表側にだけ模様があり、裏側は無地もしくは地模様だけとなっているのですが、この為に費用が押さえられ、また帯自体も軽量となっているのです。裏側が薄いために、締めやすいということもポイントとなっています。

帯幅は30cm前後で、体の前側に当たる部分は半分に折って使います。全体の長さは4m20cm~4m50cmと、他の帯に比べて長いのが特徴です。

注意して欲しいのは、「袋帯と名前が付いているけれど、一般の袋帯とは違う袋帯がある」ということ。例えば「京袋帯」。こちらは帯の幅は30㎝前後ですが、長さは3m60cm~3m80cm位となっています。この長さでは二重太鼓結びはできませんので、一般的な袋帯とは違うのです。

正装用の帯と言うよりも、お洒落帯と思って下さい。また「小袋帯」というのもあります。こちらは、いわゆる「半幅帯」のことです。帯幅は16㎝で、長さが3m60㎝~4m。こちらは浴衣などに締める帯と言っても良いでしょう。

 

2.帯の柄付けと帯結び

半幅帯などは総柄でリバーシブルになっているものが一般的ですが、袋帯には柄付けに色々種類があります。

 

全通柄

「全通柄」は、表側全体に柄のあるタイプです。豪華ではありますが、前述の丸帯同様、重く費用も嵩み締めにくいことから、最近では袋帯の全通柄は珍しくなってきています。

 

六通柄

胴の一巻き目が無地となっているのが「六通柄」です。これは帯全体の6割に柄が付いていることから、その名が付きました。※全体の8割に柄が付いているものもあり、こちらは八通柄と呼ばれます。
柄が付いている部分が少ないため、その分リーズナブルになっています。こちらのタイプが一番多く、二重太鼓はもちろん振袖用の変わり結びも出来る人気の袋帯です。

 

お太鼓柄

お太鼓結びだけに使うことを想定して作られたのが「お太鼓柄」となります。前帯となる部分と背中のお太鼓の部分だけに柄を付けることが特徴で、柄の付ける場所が極端に小さいことから、「安い」「軽い」「締めやすい」を実現したアイディア帯とも言えます。

 

3.帯結びで注意して欲しいこと

呉服屋さんのショーウィンドーでは、華やかな着物を着たマネキンが並んでいることがあります。振袖や留袖、訪問着などに合わせる帯は、前帯を折らずに着物に巻いていますが、これは帯に折り目を付けない工夫です。実際に着る時は、前帯は約半分に折って着付けをするのです。

美容院などでプロに着付けをしてもらって「あれ?前側が寂しい?」と思う方もいらっしゃるようですが、袋帯の前側は折るものなのです。浴衣などに使う半幅帯は、もとから帯幅が狭いので、そのまま体に巻きつけますが、幅が広い袋帯は半分に折るのが基本ですから、マネキンとはイメージが違うと思って下さい。

 

4.まとめ

最近の帯芯は、不織布などを使う柔らかなタイプが増えてきました。以前のような固い帯芯の場合は、締めにくいだけでなく締めジワが残りやすいという欠点もあったからです。

帯は一度付けたシワはなかなか取れないので、この柔らかい帯芯は人気を集めています。もし、新しい帯を購入する機会があれば、帯の柔らかさもチェックしてみましょう。きっと便利ですよ。

 

 

 

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