雨降りは着物の敵!無事に過ごす方法は何?

雨が降っている時や雨の止んだ後は、着物にとってとても危険です。出来れば事前に雨が降ると分かっている時は、着物を着ての外出は避けたいものですが、そうはいかない場合もあるでしょう。雨降りの着物対策についてお知らせします。

泥ハネが一番危険なのです

雨が降っている時はもちろん、雨が降り終わって出来た水たまりがある地面を歩く時は、細心の注意を払いましょう。泥が跳ねあがって、裾を汚す危険性が高いのです。普段の洋服を着ている時のように颯爽と歩くのはもちろん駄目ですが、ゆっくり歩いても、草履のかかとが泥をはね上げて着物を汚してしまいますから、歩き方の根本から変えなくてはいけません。 一番良いのは、雪道を歩くようなフォームです。雪国の人が雪道を歩く時は、歩幅を狭くして、けっして足のかかとをけり上げません。上から雪を踏みしめるように歩くのです。かかとをけって前に進む歩き方は、雪が凍った時には滑りやすくなるので危険と言われています。これと同じ要領で、ゆっくり上から地面を踏むように歩きましょう。これで、泥ハネで裾を汚す可能性は低くなります。

雨ゴートは裾の長さに気を配ります

着物のロングコートを雨ゴートの代わりにする人もいらっしゃいますが、これでは裾の汚れはカバー出来ませんので雨の日は雨ゴートを用意しましょう。裾は必ず着物よりも長くなるものを選んで下さい。二部式雨ゴートなら 調整も簡単です。 また着る時は、着物の裾はたくしあげて帯などに挟んでも良いでしょう。長襦袢の裾が汚れるのは仕方ないですが、着物の裾を汚してしまったら大変です。裾の長い雨ゴートなら、着物をめくっていても外からは見えません。歩いている途中で落ちないようにしっかり帯に挟み込むか、仮紐などで帯に括りつけてもOKです。細心の注意を払いましょう。

家に帰ったら、まずチェック

家に帰ったら、すぐに脱いで泥ハネを付けていないかどうかチェックします。泥ハネは水溶性の汚れと思う方も多いでしょうが、舗装された道路は油膜が付いていますから、泥と油の混じった泥ハネは、なかなか落ちにくいものなのです。正絹の着物は繊細ですから、決して自己判断で洗うのはやめて、専門のクリーニング店に依頼して下さい。 シミ抜きは一カ所数百円という価格のお店が多いので、まずは見積もりを出して貰うことをおすすめします。泥ハネは一カ所ということはありません。大小合わせて何カ所も泥ハネが付いていれば、1回のクリーニングで数万円掛ってしまうこともありますので、見積もりを出して貰って、金額に納得してからシミ抜きをお願いしましょう。

車の乗り降りにも注意が必要

雨の中を歩くのは危険ですから、自家用車やタクシーを利用するのも良い方法です。ただし車の乗り降りには注意して下さい。着物で車に乗る時は、お尻から入り、最後に足を車内に入れるのがスマートな乗り方です。ただしこの方法ですと、ふくろはぎが車に触ってしまうこともあるのです。雨の日の車体は汚れていますから、うっかり触ると思った以上に着物を汚してしまいます。 雨の日に車に乗る時(降りる時)は、着物をめくってでも車体に着物が触らないように工夫しましょう。

傘は大きめのものを選びます

着物姿の時は、自分が思った以上に大きくなっていますから、大き目の傘を用意しましょう。雨が降ると天気予報で分かっていたなら、便利な折りたたみの傘よりも、大きくてしっかり体全体を雨から防いでくれる長傘の方が安心です。 雨降りは裾が汚れますが、雨水で輪ジミが出来ることもあるのです。特に高価な正絹の着物は水に弱く、シミも出来やすいので注意しましょう。

まとめ

もしもお気に入りの着物があるのなら、事前にパールトーン加工しておくと良いかも知れません。これなら多少の雨はもちろん、食べこぼしなどの汚れも弾いてくれます。気が付いた時にハンカチやタオルで汚れを吸い取れば良いので便利です。もちろん費用は掛りますが、汚した後の手間暇を考えれば安いもの。まずは着物屋さんに相談してみて下さい。
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