着物の着付け、補正のコツをお知らせします

着物を着付ける際、綺麗に着るために様々な補正をおこないます。着物は「寸胴(ずんどう)」の方がスッキリ見えるだけでなく、着崩れしにくいので、出来るだけデコボコをなくすのが補正なのです。 でもやみくもに補正すると、逆に見映えが悪くなったり、体が辛い場合もあります。ちょっとした補正のコツをお知らせしましょう。

絶対必要、ウエスト補正

体の凹凸をなくすために、ウエストにタオルなどを巻いて太くします。バスタオルなど厚手のものよりも、薄くて扱いやすいフェイスタオル2~3枚用意した方が良いでしょう。ウエストの補正を怠ると、帯が凹んでシワが寄ったりして美しくありません。 また帯も安定しないので、着崩れにつながります。メリハリのあるボディの人はもちろんですが、スレンダーな方もウエストの補正は必要です。ウエストはおはしょりが落ちなように、腰紐をしっかり結びます。痩せている方は、この腰紐が体に食い込み痛くなると言われているのです。 そうならない為にも、タオルを巻いておくと、タオルがワンクッションの役割をはたしてくれるので楽でいられます。タオルの代わりに人気があるのはウエストパッド。ウエストの凹を補正する便利グッズですが、タオルよりもしっかりと固定できるので、初心者におすすめです。

胸のボリュームも押さえます

洋服の時よりも胸のふくらみは押さえた方が、着物には似合います。着物専用の和装ブラジャーを使えば簡単ですが、化繊の下着は肌の弱い人には肌ストレスとなる場合があるのです。 そんな方は「サラシ」を巻くのも一つの方法でしょう。サラシは薬局やドラッグストアーに売っています。半分の幅に折って、胸の周りにしっかり巻き付けます。だいたい3~4回巻いたら残りは鋏で裁断しましょう。サラシは木綿なので、肌触りが優しく汗も吸い取ってくれるので着心地が良いのです。

お腹を押さえるのは昔ならではの方法も

洋服の時はガードルを履くと、お腹の出っ張りを押さえられます。でも着物でガードルを履くとトイレの時に難しく、着崩れにもつながる可能性があるのです。ガードルと同じく、お腹を押さえる効果があるのが「裾除け」。「腰巻」とも言われる、二部式の肌襦袢です。これは上部に「力布」と呼ばれる部分があり、これを効果的に使うのがコツとなのです。 力布をしっかりとお腹に巻き付け、余分なお肉を上に持ち上げます。そして力布を捻じるようにして紐で縛るのです。これでお腹のシルエットがひっこみスッキリします。トイレの時も問題ありません。着方には独特のコツがあるので、「どうやって着たら良いか分からない」という方は、ネットなどで着方を検索して下さい。

胸パッドは注意が必要

鳩胸の方なら問題はありませんが、肩から胸のラインに窪みがある場合は、余分なシワが出来やすいのです。そんな時は胸パッドや綿を入れて窪みをカバーします。実は胸の補正を必要以上に行うと、綺麗な着付けにはなるかも知れませんが太って見えるので注意しましょう。 また、動いているうちに、補正したパッドがずれて胸元からはみ出てしまう事もあります。胸のラインを平にしたいなら、胸パッドを沢山入れるよりも、胸を押さえた方が失敗はないかも知れません。

ヒップパッドはする?しない?

お尻が丸い形であれば、足も長く見えますよね。お尻の上側にボリュームがない人はヒップパッドを使うと良いでしょう。もちろんお尻の上にパッドを置くだけでは動いてしまいますが、ウエストパッドにマジックテープでヒップパッドをくっつけたり、もともとウエストパッドと一体化した商品もあります。 ただし「お太鼓結び」の場合は、ヒップパッドは無い方が良いので注意しましょう。お太鼓結びの場合はヒップパッドがあると「たれ」の部分がめくれやすいのです。ヒップパッドを使うなら「文庫結び」や「福良雀」など変わり結びの時に使うと効果的と言えます。

まとめ

着物姿を美しくするためには、しっかり補正をしましょう。とは言っても、補正が表に響くのは問題外。補正をしていることが分からないようにしなくてはいけません。 補正は全て長襦袢を着る前に行います。こうすれば長襦袢や着物を重ねることで、補正が自然なシルエットとなるのです。着物の着付けは着物や帯に神経を使うだけでは駄目。下着から気を配りましょう。
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