成人式で人気の「ママ振袖」、おすすめポイントは?
「ママ振袖」とは、お母様の思い出の振袖をお嬢様に着ていただくことです。お母様だけでなく、
お婆様や叔母様、お姉様などのお着物を譲り受けることは昔からありました。着物は保管をきち
んと行えば、長く着られるとっても便利なもの。最近は小物を代えて、新しい雰囲気で着る振袖
も人気となっています。気になるポイントをお知らせしましょう。
◆お嬢様が着られるかどうか、寸法を確認
振袖の元々の持ち主よりも、お嬢様の方が体格が良いという場合も多いでしょう。女性の場合は
「おはしょり」を作って着物を着ますから、身長の5㎝前後の違いは問題ありません。身幅も着
付けによって多少カバーできます。
難しいのは「裄丈」です。(洋服で言えば、袖の長さ)。子どもの着物は「肩あげ」があり、
この肩あげを縫うことで裄丈は長くも短くもなるので、数年間着続けることができます。でも、
これは幼い子どもの場合だけ。大人の着物は、着付けを工夫しても裄丈を体に合わせるのは難し
いと言えます。
振袖は礼装なので、小紋などカジュアルな着物に比べて裄丈は少し長めが良いとされていますが、
それでも長いと言う場合は「仕立て直し(寸法直し)」をしましょう。
裄丈が短い時も、袖巾や肩巾で縫い込み(縫い代)されている場合もあります。縫い込みが多
ければ、仕立て直しで裄丈も長く出来る可能性はありますから、専門家に相談して下さい。
もちろん「仕立て直し」には費用や時間は掛りますので、成人式や結婚式など、着る機会が決
まっている場合は早目(数か月前)に準備することをおすすめします。
◆振袖の状態をチェック
着物は丁寧に扱っていても、気が付いたらシミやシワが出来ている場合があります。正絹は
とてもデリケートな素材ですから、素人が自宅で洗濯したり専門外のクリーニング店に出す
ことは避けましょう。お手入れまでしてくれる呉服店や悉皆(しっかい)屋さんといったプロ
にお任せするのが一番なのです。
汚れだけでなく、金箔銀箔が落ちてしまったものとか、刺繍のほづれ、色落ちなども相談し
て下さい。リメイクすると、素敵な振袖に蘇る場合も多いのですよ。
◆ママ振袖を新しい雰囲気に
○帯を替えるとイメージが大きく変化します・・・着付けや小物使いで、着物姿は大きく変わり
ます。予算に余裕があるなら、帯を替えるのも良いかも知れません。以前は「帯上」という
言葉があったほど、帯は着物を着る際に重要なアイテムです。
お母様が成人式を行った頃の袋帯は、しっかりした厚手の木綿の芯を入れていましたが、
芯が厚い帯は現代の豪華な帯結びには対応できない場合があります。最近では薄い不織布
の芯を使ったり、芯を入れない帯が出てきました。こちらなら扱いやすいので、華やかな
振袖帯結びもスッキリと仕上がります。縛り跡も残りにくいのでおすすめです。
○華やかな半襟も・・・
ひと昔前の成人式に使う半襟といったら、白色がメインだったよう
です。確かにフォーマルな装いの際は、今でも白の半襟は絶対条件と言われています。
ただしこれは黒留袖などの場合。若いお嬢様が着る最近の振袖には、色鮮やかなものや
刺繍が施された可愛らしいものが出てきて人気を集めています。
半襟はお顔に一番近い和装小物ですから、全体の印象を決める時の大きなポイントとも
なります。重ね襟とバランスを取って、記念写真に残しても後悔のないタイプを合わせ
て下さい。
○帯揚げは着物の中心・・・
年齢を重ねると、帯揚げは段々と帯の中に入れて見えなくするのが着物の着付けなのです。
振袖の場合は、出来るだけ高くしっかりと見えるように結びます。最近の帯揚げは絞りだ
けでなく、貼り模様も付いた豪華なものも出てきました。
帯締めは着物姿の中心にありますから、たとえ小物でもインパクトは強いのです。豪華な
帯揚げは、振袖だけに出来る装いかも知れません。
お嬢様が自分の振袖を着てくれるのは、ママにとっても嬉しいもの。とても良い記念にな
りますね。何と言っても、その年の流行に重ならないのが魅力です。
上品で個性的・・・
それがママ振袖と言って良いでしょう。お手持ちの振袖があるなら、是非検討してみて下さい。
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