着物収納に最適と言われる「桐」。その人気の秘密は何?

着物を収納するなら「桐のタンス」が良いと昔から言われていました。一昔前の嫁入り道具は、桐のタンス一棹に冠婚葬祭の着物一式入れたと言う話もあります。最近は住宅事情から大きなタンスを揃える方は減ってきましたが、逆に人気を集めているのが桐の衣装ケースです。着物の収納に外せない桐の魅力をお知らせしましょう。

【着物の大敵、湿気に強いのが桐です】

着物の素材は色々あります。正絹の他、麻や木綿、ウールそしてポリエステルなどの化繊です。「着物は湿気に弱い」と言う事はよく言われますが、これは正絹の着物に関してで、麻や木綿、化繊は特に湿気に弱いという事はありません。とは言っても、着物が特別な装いとなっている現代、高級素材の正絹の着物を大切に保管することが主流となっています。

桐は湿気に敏感に反応して、膨張や収縮するのです。具体的に言うと、梅雨など湿気の多い時期には膨らんで湿気を中に入れませんし、乾燥している季節には縮み、外の空気を中に入れてくれる自然空調の役割をしてくれます。

正絹は湿るとシミが出来やすいので、桐のタンスに入れておくだけでも安心なのです。
※長年タンスに入れっぱなしでは、いくら桐のタンスでもシミは出来てしまいます。定期的に虫干しをしましょう。

【防虫効果も高いのが桐】

桐にはタンニン、パウロニン、セサミンといった防虫効果の高い成分が含まれています。正絹は比較的虫に食われにくい素材ではありますが、汚れがそのまま着物に残っていたりすると、まれに虫食いの被害にあう事もあるのです。

また羊毛素材のウールや木綿は、防虫剤を入れておかないと虫食いの被害に合いやすいと言われています。正絹をうっかりウールや木綿と一緒に仕舞うのは、虫食いの原因ともなり、とても危険と言えるでしょう。そうならないためにも、桐のタンスはおすすめなのです。

【火事にも強い桐素材】

桐の木は他の木と比べても着火点が高いと言われています。火事が起きた際も、小火(ぼや)などで済めば桐のタンスは燃えない可能性が高く、また燃えたとしても消火活動で消防車からの放水が早ければ、水を桐が吸収して中を密閉状態にするためタンスの中の着物は無事ということも珍しくないのです。

※ただしススを防ぐことは出来ません。ススはタンスが燃える前に引き出しの中に入り込んでしまうので、燃えなかった着物もススで折り目の所が黒ずんでしまい、着られないとも言われています。ススから着物を守るためには、しっかりと「たとう紙に包んで保管する」という事です。

【桐はとても軽いのでケースとしても便利】

桐は日本列島で育つ木材として一番軽いものと言われています。最近人気の桐の衣装ケースも、軽いので女性一人でも持ち運びやすく便利なのです。
桐の比重は水が1とすると、わずか0.3。小タンスの上に桐の衣装ケースを置いても大丈夫と言われています。

【専門家にお願いすればリメイクも出来るのが桐ダンス】

桐は高級素材なので、他のタンスに比べるとお値段も高めの傾向にあります。もし実家やおばあちゃんの家で使わなくなった桐のタンスがあるなら、タンス屋さんに相談してみましょう。

実は桐ダンスは昔から「削り直し」でリメイクして、使ってきました。金具交換などすればとても綺麗になります。もちろん費用は掛りますが、新品のタンスを買うことを考えればかなり割安です。ただし、昔のタンスは昔の人の体型に合わせた着物を入れるため、引き出しが小さい場合も少なくありません。どんな物を入れたら良いか、自分で使えるのかをしっかりチェックして費用対効果を考えてからリメイクして下さい。

如何でしたか?桐のタンスは正絹やウール、麻や木綿といった着物それぞれに利点があります。万が一の火事にも強く、扱いも楽なのです。そしてリメイクも出来て環境に優しいというメリットがあります。

段ボールやプラスティックの衣装ケースに着物を入れているなら、一度桐タンスやケースの保管を考えて良いかも知れませんね。

 

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