「着物は好きだけど、着るととっても疲れる」と言う方も多いようです。もちろん、着なれていないことが大きな理由ですが、ちょっとしたコツで疲れを軽減できる場合もあります。
今回は、着物を着ても疲れにくくなるポイントをお知らせします。
目次
着物は出来るだけ涼しく着る工夫をしましょう
着物は体じゅうを布で覆う衣装なので、どうしても暑いと感じることが多いのです。特に温暖化と言われている現代、着物を着ていると体力を消耗しやすいものですから、涼しく着こなすことが重要です。
まずは肌襦袢や長襦袢といった下着の素材に注目して下さい。直接肌に触れる肌襦袢は、汗を吸い取ってくれる涼しい素材の麻や綿がおすすめです。また長襦袢なら正絹も良いでしょう。ポリエステルといった化繊は、シワにもなりにくいし洗濯も出来るので、扱いやすいですが、涼しいタイプとは言えないかも知れません。
帯枕や帯板も夏専用のものが増えてきました。帯の部分はタオルで補正することが多いので、暑くなりやすい場所ではありますが、小物を替えると涼しくなる場合もありますから、試してみても良いでしょう。
着物には季節があり、10月から4月後半まで着る袷(あわせ)と、その時期以外に着る単衣(ひとえ)に分かれます。単衣は裏地が付いていないので、何と言っても軽くて涼しく、着やすい着物と言えるでしょう。昨今は暑さも年々厳しくなってきていますから、4月の中旬でも10月に入ってからでも暑い日なら単衣を着てもOKと言われ始めています。境目の時期なら、その日の気温や体調に合わせて単衣を着るかどうか決めるのがおすすめです。
また袷の着物にも、仕立てを工夫できます。胴裏を付けずに仕立てた「胴単衣」は、胴裏がない分涼しくて軽いと言われていますし、「人形仕立て」は袖口や裾、上前のおくみと言った見える部分だけ裏地を付けただけで、「胴単衣」よりも更に簡略化されていて涼しいのです。どちらもパッと見る限りは袷の着物に見えるので、とっても便利で使い勝手の良い仕立てと言えます。素材も正絹なら夏に涼しく、冬に暖かいのでおすすめです。※盛夏の時期は麻も良いでしょう。
足元のストレスも疲れにつながります
履きなれない足袋(たび)や草履(ぞうり)を長時間履いていると、思いの他疲れる場合があります。それは足袋や草履が合っていない可能性もあるのです。そんな時は、別のタイプに替えてみませんか?
まずは足袋です。色足袋もありますが、一般的なものは白木綿となります。この足袋が合わないと親指と人差し指の付け根が痛くなるのです。足袋にも個人個人の足に合わせたオーダーメイド、セミオーダーなどありますが、値段も張るのでなかなか利用するのは難しいかも知れません。そんな方におすすめなのは、ストレッチ足袋。伸縮性があるので足に負担が少なく、履いても楽で人気を集めています。
また草履も新しいタイプが出てきました。草履は鼻緒(はなお)の部分が固いと足に馴染まず疲れやすいのです。痛みを伴う場合もあります。鼻緒の中身はボール紙や綿など。以前のフォーマル用の草履の芯はボール紙タイプが多かったので、固かったのですが、最近はふっくらタイプが増えてきました。これなら足の指に鼻緒が当たっても柔らかいので痛くなりません。
もし鼻緒が固くて長時間履くのが難しいと感じている草履があるのなら、鼻緒のすげ替えだけでも行うと良いかも知れませんね。
ヘアスタイルにも要注意
着物の場合はヘアもアップスタイルが似合います。うなじを見せるアップは、首も長くスッキリして見えるので、着物姿も美しくなるのです。
実はこのヘアスタイルが疲れる原因の一つになる時もあるので、注意しましょう。髪の毛を高くセットすると、意識も上まで注意しなくてはいけなくなり、これが緊張状態となってしまう場合があります。自分では無意識でも、この緊張が長時間続くとストレスとなり、疲れてしまうのです。
思い当たる方は、一度ヘアチェンジするのも良いでしょう。大人っぽく下でまとめたり、ウィッグを使うのも一つの方法です。色々なヘアスタイルを試してみて下さい。
まとめ
着物は洋服と比べると重くて動きにくい側面もあります。ただしそれ以上に優雅で美しいのも事実でしょう。何と言っても日本人に着物は似合います!少しでも自分に合った楽な着方を身につけて、着物生活を楽しんで下さい。