着物で年始のご挨拶、立ち居振る舞いに気を付けましょう

お正月ともなると、新年のご挨拶にお出かけの機会も増えます。そんな時に着物での訪問は、改まった印象があり素敵です。着物だけに限りませんが、ちょっとした気配りがあれば好感度もUPします。まずは立ち居振る舞いのマナーをチェックしてみましょう。

【コートや羽織は必ず玄関に入る前に脱ぎましょう】

個人のご自宅にご挨拶に伺う場合は、コートや羽織は必ず玄関先で脱いで、軽く畳んで手に持ちましょう。これは日本に昔からある習慣の一つで、外の邪気を家の中に持ち込まないという信仰からきていますが、最近は花粉症対策としても使われています。

洋服の場合も考え方は同じで、オーバーやダウンジャケットなども玄関先で脱いでから、家に入ります。最近は上着を着たまま玄関に入り、玄関や通されたお部屋で上着を脱ぐという方も増えてきました。これは相手に対して失礼となりますが、面と向かって注意されることはありません。ただ「子どもでもないのに非常識な方」と思われる可能性がありますから、大人のたしなみとして身につけて欲しいものです。
ただし室内でも脱がないブレザーやジャケットなどは、ファッションの一つですから着たままでOKです。新年会のお店やホテルであれば、会場に入る前に脱ぐのが一つのタイミングとなります。

帰る時も同じで、玄関を出てから上着を着るのがマナーです。ただし、訪問先の方から「寒いので中で上着はお召し下さい」と声を掛けていただいたなら、お言葉に甘えて上着を着ても大丈夫。マナー違反にはなりません。

【草履は二手間掛けて脱ぎます】

草履の脱ぎ方にも注意が必要です。玄関で室内の方にお尻お向けて靴を脱げば、確かに玄関に残された草履の向きは同じかも知れませんが、これは駄目。見ている人に「横着な人」と思われかねません。

正式なマナーは、室内の方を向いた状態で一度草履を脱いで、上がってから玄関に向かって体を回してからしゃがみ、膝をついて草履の鼻緒を持って草履の向きを直します。二手間掛けることで、上品な印象となりますから、覚えておいて下さい。

【座布団の座り方にもマナーがあります】

部屋に通された場合、洋室なら椅子が有りますが、和室では座布団が用意されています。もちろん正座が原則ですが、座り方にも気を付けて下さい。

座布団にはいきなり座らず、座布団の横に一度正座します。それから膝まずいて座布団に近い方の膝から座布団に乗せていきます。裾が乱れた場合は、お尻をかかとに乗せて直しましょう。いきなり座布団の上に両足で立ってから正座をするのはマナー違反。とても見苦しい行為です。

【自分の座る場所を見極める事も必要です】

部屋には上座・下座があります。応接間や広間に通された時は、自分の立場にあった場所に座るのが一番良いですよね。でもどこが上座なのか、どこが下座なのか分からなければ判断も難しいでしょう。

和室であれば、床の間を背にして座る場所が上座となります。次に床の間に近い席から二番目、三番目となり、上座と向かい合う(床の間に向いている)席がその家のご主人が座る下座となるのです。いくら遠慮していても、訪問客が下座のご主人の席に座るのはマナー違反。注意しましょう。

床の間がない部屋であれば、入り口に一番遠いところが上座となります。座るタイミングは、ご主人が「どうぞお座り下さい」と声を掛けて下さってから座るのがマナーです。

【足袋は意外と目立ちます】

お茶会や高級懐石料理店では、履いてきた足袋を履きかえるのが礼儀と言われています。会場やお店の入り口近くに、足袋を履きかえる部屋が用意されている場合もあるのです。でも個人宅でいきなり足袋を履きかえるのは難しいですよね。

車などで来訪するのであれば問題はありませんが、舗装されていない道を歩いての訪問となれば、足袋も汚れやすくなります。薄汚れた足袋で訪問先に上がるのは恥ずかしいし、相手宅にも失礼です。そんな心配が予想されるなら、足袋の上に足袋カバーを履いてみましょう。これなら片足でスッと脱ぐこともできるので、綺麗な足袋で訪問できます。

いかがでしたか?ちょっとしたコツを覚えれば、洋服の時も応用できるマナーもあります。最初は考えながらでも、やがて自然と身に着くのが大人の立ち居振る舞いです。頑張って下さい。

 

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