「半衿」は自分で出来る着物のお手入れです!
梅雨のじめじめ皆様どんな日をお過ごしですか?
着物でお出かけがしにくいこの季節、ちょっとしたメンテナンスは自分でチャンレンジして
みてはいかがでしょうか? 高いお着物ではちょっと冒険できないのでいきなりは禁物です
よ。不安な方はちょっと予備知識として持っておくだけでも役に立つものです。
着物に慣れていない人にとっては、長襦袢に付いている「半衿」は頭の痛いものかも知れません。
例えば、 着付け師さんや美容院に着物の着付けをお願いしても、半衿は基本的に本人が縫ってい
かなくてはいけな いもの。慣れないと大変ですね。でも衿元が美しいと、着物姿全体も好印象と
なりますから、半衿には 気合いを入れましょう。まずは汚れやすい半衿のお手入れを、自分で
やってみませんか?
◆半衿の汚れ取りは自分で
直接肌に触れる半衿、皮脂で汚れる場合もあれば、ファンデーションが色移りすることも多い
のです。どちらにしても汚れが目立ちやすいと言えるでしょう。
○日頃のお手入れはベンジンで
皮脂やファンデーションは、油性の汚れとなります。油性の汚れを取るのは「ベンジン」を使う
のが有効的です。
ベンジンは揮発性の薬剤ですが、薬局でも数百円で購入できる便利アイテム。着物本体にも
使えます。ベンジンをガーゼやガーゼハンカチに含ませて、一気に汚れた箇所を拭きますが、
ポイントはベンジンの量です。したたるほどたっぷりしみ込ませます。そして力を込めて汚れ
をふき取るのです。白のタオルを着物の下に置いて、汚れやベンジンが移るようにしても良い
かも知れません。
ベンジンは揮発性なので、容器の蓋を開けたままでは自然とベンジンが気体となって蒸発し
てしまいます。気が付いたら量が減ってしまった・・・なんて事のならないように、蓋はこまめ
に締めましょう。少し深い小皿を用意して、使う分だけ最初に小皿に注いで使うのも合理的
です。
○汗をかいた場合は、洗濯しましょう
ベンジンは油性の汚れに有効ですが、汗など水溶性の汚れ取りには効果がありません。
半衿も汗で汚れたと思ったら、長襦袢から外して自宅で洗ってみませんか?
「半衿付けが面倒だから、半衿を付けたまま長襦袢をクリーニングに出す」という方も
いらっしゃいますが、長襦袢のクリーニングは費用も時間も掛ります。また半衿付けは
慣れれば上手になりますから、最初は大変でも回数を重ねてみましょう。
正絹以外の半衿は、ネットに入れれば洗濯機で洗えます。正絹は丁寧にぬるま湯で、
汚れがきつい箇所はつまみ洗いを。色落ちの可能性もあるので、色付きの半衿は注意
が必要です。柔軟剤を使用する際は、蛍光剤や漂白剤が入っている場合もあります。
そんな柔軟剤を使うと正絹は変色してしまう場合もあるので、事前にチェックして
下さい。
洗い終わったら、タオルで水分を拭き取ります。その後、アイロンで引っ張りながら
半乾き状態にもっていき、陰干しして終了です。
最近は半衿も刺繍が入ったり、ビーズで装飾したお洒落タイプが増えてきました。
これらは自宅で洗うにはハードルが高いですから、初心者は避けた方が無難です。
まずはシンプルタイプの半衿を、自宅で洗ってみましょう。コツはアイロンの
タイミングです。タオルで脱水したら、アイロンを掛けてシワを取り、それから
干す手順が良いでしょう。
○汚れが取り切れな場合は
汚れが落ちない場合もあります。特に汚れに気が付かず時間が経ってしまった時は、
汚れも沈着してしまい洗濯しても効果がないことも多いでしょう。
そんな時は、半衿付けに工夫して下さい。半衿を付けた後は中に衿芯を入れます。
この衿芯幅を意識しながら、半衿の折山を替えるのです。食べこぼしの場合は、
半衿のどこに汚れが残るか分かりませんが、汗やファンデーションの汚れは折山
に集中します。この折山をずらして、汚れていない箇所を折山にすると、汚れも
見えずスッキリしますから、試してみて下さい。
衿元に自信がないと、着物を着ていても何となく落ち着かないものです。
半衿付けに自信のない方は、着物を着る直前に準備するのではなく、時間の余裕
がある時に心に余裕を持って半衿を縫ってておきましょう。
衿元が決まると、安心ですよ。
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