振袖は扱いも大変なフォーマルウエア。着ている時にも注意しましょう!

未婚女性にとって一番格上の正装が振袖です。成人式でも人気№1。その華やかさは、他の衣装とは比べられないとも言われています。
でも最近は着物を着る機会も減ったため、いきなり若いお嬢様が振袖を着ると色々な失敗をしてしまうものです。そうならない為、ほんの少し気を配ってみませんか?ポイントをお知らせします。

【一番注意することは振袖の袂(たもと)を汚さないこと】

振袖にもいくつか種類がありますが、一般的なものは中振袖と呼ばれる袖丈約87~106cm位のものです。この振袖の袖の下側が袂と呼ばれ、汚しやすいので注意しましょう。

◆椅子に座る時・・・不用意に椅子に座ると袂は床に着いて汚れてしましますから、袂は膝の上に左右交差させるように重ねて乗せて座ります。
結婚披露宴やパーティでのお食事の時はもちろんですが、トイレの時は更に袂が床に触れないように注意して下さい。トイレは密室ですから、誰にも見られる心配はありません。袂を一時的に帯の中に押し込んでも、トイレの場合はOK。何よりも袂を汚さないようにしましょう。

帯締め(帯の上にある紐)に袂を挟むという話も聞きますが、振袖の帯締めは飾りも多く、特殊な結び方をしている場合も少なくありません。軽はずみにいじってしまうと、結び目が緩んでしまいます。そうなると素人では簡単には直せませんから、帯締めに袂を挟む方法は避けた方が無難です。

◆車に乗り込む時・・・乗車前に左右の袂を重ねて、体の前に持ってきて軽く畳んで片手で押さえておきます。車に乗る時はお尻から座席に入って、最後に両足を揃えて車の中に入れるとスマートです。ふくろはぎが車の泥ハネの部分に触らないように注意して下さい。

移動中は車内は揺れます。袂は膝の上に左右重ねて片手で押さえ、空いている片方の手はアシストグリップなどを握って、揺れに対処すると良いでしょう。

車から降りる時は、乗る時と逆の手順で、まずは両足を外に出して頭をぶつけないように気を配りながら、体全体を前のめりにして車から出ます。袂も片手で押さえながら、膝から離さないように注意して下さい。

◆階段の上り下り・・・着物の裾(すそ)を気にするあまり、長い袖を引きずってしまうこともあります。裾は右手で少し引き上げ、左手は左右の袂を重ねて持ちながら階段の上り下りをしましょう。

【振袖の裾を踏むと縫い目が裂けます!】

振袖を着たまま不用意に正座をすると、自分の袖の上に乗ってしまう場合があります。袖に乗っている事に気づかず、そのまま立ちあがると、脇の下の縫い目が切れてしまうのです。勢いよく立ちあがると、縫い目が裂けてしまうことも珍しくありません。

そうならない為にも、正座をする時は袖を踏まないようにしましょう。また、正座をした後には袖に乗っていないかどうかチェックして、乗っていた時は丁寧に袖を膝の上に持ってきて下さい。踏んだことで縫い目が裂ける訳では無く、踏んだまま立ち上がるのが問題なのです。注意しましょう。

【食事の時に気を付けることとは】

円卓などで遠くのお料理を取る時に、袖は汚しやすいと言われていますが、これは小袖の場合です。振袖の時は袖がテーブルのお料理に掛ることは少ないでしょう。

ただし飲み物や麺類のハネで胸元を汚すのは他の着物と同じで、最新の注意を払う必要があります。ナプキンなどを胸元に差し込んで汚れをカバーする方もいらっしゃいますが、ナプキンは基本的には膝に掛けて使うものです。帯にナプキンを挟むまではOKですが、胸元に挟むのはフォーマルな席ではマナー違反となる場合もありますから注意しましょう。
ただし、お店の配慮で食事用のエプロンが付いている場合はOK。マナー違反には当たらないので、しっかり使って下さい。

着物は洋服よりもメンテナンスも大変で、費用も掛ります。特に振袖に人気の金銀箔、絞り、刺繍といった華やかな加飾は、クリーニングによって劣化しやすいとも言われているので注意が必要です。
振袖は最初から汚さないように、壊さないように気を配りましょう。

 

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